アメリカでは、ショートタイムショッピングの販売形態としてインターネットの書籍販売が急成長しています。探している本や知らない本の検索は、自宅やオフィスでパソコン画面上で効率よく探すことが出来るのです。
一方、本好きの人にとって、書店で本を購入することの満足は、ショートタイムショッピングだけではありません。むしろたくさんの本の中から、興味のある分野や作家の書物を発見したり、知らなかった本をパラパラと見ているうちに興味がわいてきたりという「出会いと発見」があることが、わざわざ書店に足を運ぶ理由であり、楽しみです。
そう考えると実は、座り読み歓迎のソファーやコーヒーショップの併設などは、書籍販売を単なる“買いやすさ”という利便性の追求から、本好きな顧客に対する「出会いと発見」「知的興奮を伴う楽しみ」の場の提供という業態に深化させたバーンズ&ノーブルの表現技術だということに気づきます。
また、帰国後発売された本にこんな興味深い記述がありました。
「万が一、コーヒーで本が汚れたら弁償してもらうか、ですって?とんでもない。かわりに新しい本をすぐにお持ちします。」こう笑われてしまった。全部読まれたら商売にならないではないか、とたたみかけると「書店で一冊読破されるほど本がお好きな方なら、他に何冊か買っていかれるはずですよ」とあっさり言われてしまった。価格の安さもさることながら徹底したサービスによる顧客満足の向上こそ厳しい競争に生き抜く秘策、という哲学が感じられる体験だった。
「アメリカ量販店が日本を襲う」(西村 晃著 PHP研究所刊)
日本でも最近座り読みOKの店も出来てきています。大阪難波Jもそのひとつです。ちょっと立ち寄ってみました。たしかに椅子が置いてあり、お客さんが本や雑誌を読んでいます。私も本を3冊程持って椅子を探しました。「空いてない!」満席。そう、圧倒的に椅子の数が少ないのです。
平日の昼という比較的空いている時でこれだから、休日や夕方ならと考えてしまいます。さらに座り読みコーナーにはこんな注意書きがありました。「本は商品ですので、書き込みなどはしないで下さい。またメモを取ることもご遠慮下さい」
日本ではまだ慣れていないので、テストケースとしてこういったことも仕方ないのかもしれませんが…。
注3 日経流通新聞(98・3/24)の報道によると、全米書籍販売業協会(ABA)は、独立系書店二十四社を代表し、バーンズ&ノーブルとボーダーズの二社が反トラスト法(ロビンソン・パットマン法)に抵触する営業行為(出版社に対して書籍の卸売価格の大幅な値下げを要求)をしているとして、両社をカリフォルニア州北部地区裁判所に提訴している。
バーンズ&ノーブルは、「業界慣行に従っており、法に抵触するような行為はしていない」とコメントを発表した。
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